国連食糧農業機関(FAO)は1月30日、アフリカ東部で大量発生しているサバクトビバッタによる蝗害が周辺地域に波及し人道危機をもたらしており、関係各者に対して緊急援助を要請した。被害は過去最大となっている。
蝗害は、イナゴやバッタが大量発生し、草本類を食べ尽くしてしまう現象。穀物や野菜にも被害をもたらし食糧危機を発生させる、蝗害そのものはそれほど珍しくはないが、問題なのはその規模。蝗害では、1km2のバッタが、毎日35,000万人分の食を奪う。ケニアだけで、サバクトビバッタの大群は、縦60km、横40kmという広範囲となっており、風に乗り北側のエチオピアやソマリアにも侵食。さらにジブチやエリトリアにも侵食。南スーダンやウガンダにも波及するおそれが出ている。ケニアでは過去70年間で最大の規模。エチオピアとソマリアでも過去25年間で最大の規模。ウガンダと南スーダンに広がると1961年以来の蝗害発生となる。
2019年から大規模な蝗害が発生している原因について、FAOは異常気象の多雨により、バッタが繁殖しやすい状況になったとみている。ケニア、エチオピア、ソマリア、ジブチ、エリトリアの5ヵ国は、FAOに対し7,600万米ドル(約83億円)の資金援助を要請。FAOは、すでに1,540万米ドル(約17億円)の資金援助に応じた。FAOの加盟国非公式会合でも、専門家や物資を緊急支援することも決定している。
FAOの発表では、至急の食糧援助が必要となっている人口は1,200万人。サバクトビバッタの異常繁殖はまだ続いており、被害が拡大するおそれがある。FAOの分析では、次の大量繁殖は2月が中心で、植付シーズンの4月に孵化するおそれ。6月までに現在よりもサバクトビバッタの数が500倍に増えるというFAOの試算もある。
蝗害は、エジプト、スーダン、イエメン、サウジアラビア、インド、イラン、パキスタンでも蝗害が深刻化している。
【参照ページ】FAO appeals for urgent support to fight worsening Desert Locust upsurge in the Horn of Africa
【参照ページ】Massive, border-spanning campaign needed to combat locust upsurge in East Africa
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