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【国際】世界経済フォーラム、社会階層の固定化は経済成長を阻害と分析。社会的流動性の向上必要

 世界経済フォーラム(WEF)は1月19日、社会的流動性(ソーシャル・モビリティ)が経済に与える影響を分析した報告書を公表した。社会的流動性とは、社会階層が固定化する度合いのことで、社会的流動性が低い社会は、社会階層が固定化することを意味する。

 今回の報告書は、82ヵ国を対象に、社会流動性に必要な5分野10個の観点から分析を行いスコアリングした。10個の観点はそれぞれ、健康、教育(教育へのアクセス、質、平等性)、技術、労働(機会、給与水準、労働環境)、保護と組織(社会的保護、包容的な組織)。結果、社会的流動性を高めることで、不平等や健康といった社会面での改善だけでなく、経済成長にもつながるとした。

 同レポートでは、多くの国で社会的流動性を高めるための対策が取られておらず、その結果、経済成長を阻害していると指摘。さらに、技術変化とグリーン・トランジッションの時代には、阻害要素が強くなるとした。特に対策が遅れている分野では、低賃金、社会保護の欠如、劣悪な労働環境、生涯学習環境の未成熟の4分野を挙げた。その上で、社会流動性のスコアを10ポイント向上させることで、2030年までのGDPを4.4%増加させることができると試算した。

 国別に見ると、社会流動性の高いトップ5は全て北欧諸国。デンマーク、ノルウェー 、フィンランド、スウェーデン、アイスランドの順となっている。社会流動性の低さに起因する機会コストが大きい国は、中国、米国、インド、日本、ドイツの順となっている。

 同レポートは、社会流動性の向上は社会全体で取り組むべき課題とし、様々な分野の総合的な提案も提示した。ビジネス分野においては能力主義の文化の推進、職業訓練機会提供、新技術の学習やスキルアップの機会提供、労働環境の向上、平等な給与体系の整備などを行うべきだとした。また、政府に対しては、個人所得に対する累進課税の強化や富の集中に対処する政策を挙げた。

【参照ページ】The Power of Algorithmic Forecasting

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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