米連邦食品医薬品局(FDA)は1月2日、フレーバー付き電子たばこへの規制を強化する方針を最終発表した。2020年5月12日に施行。30日以内に無認可の電子たばこの製造、流通、販売を停止しない場合、FDAが強制措置をとる可能性が発生する。
トランプ大統領は2019年9月、フレーバー付き電子たばこの販売を全面的に禁止する意向を表明していたが、未成年からの人気のないたばこフレーバーと、メンソールフレーバーの電子たばこについては、たばこ中毒者の加熱式たばこから電子たばこへの移行を阻害しないよう、規制対象外となった。11月に控える大統領選挙への影響を懸念した妥協案だとして専門家からは非難の声も上がっている。
【参考】【アメリカ】政府、フレーバー付き電子たばこの販売禁止方針を表明。FDAが数週間以内に規制案(2019年9月14日)
FDAは2016年8月以降、すべての電子たばこを管轄。市販前承認を含め、FDAの認可が必要となっている。今回FDAは、未成年の喫煙防止策として、以下を規制対象とした。
- たばこフレーバーおよびメンソールフレーバー以外のフレーバー付き電子たばこ
- 小売企業による年齢認証や販売制限の実施をモニタリングや、不適切企業に対する罰則の適用等、未成年者の電子たばこ入手防止に向けた適切な措置を怠った製造企業
- 未成年者を対象とした製品もしくは、未成年者向けと誤認させるラベリングや宣伝を行う電子たばこ
今回発表の背景には、米国の若年層の高い喫煙率がある。米疾病予防管理センター(CDC)が発表しているNational Youth Tobacco Surveyによると、米国の中高生500万人以上が、過去30日間に電子タバコを利用していた。160万人は1ヵ月に20日以上、約100万人は毎日利用しているという。また、米国医師会報ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・メディカル・アソシエーション(JAMA)誌の調査結果から、若年層はたばこフレーバーやメンソールフレーバーの電子たばこより、フルーツやミントフレーバーを好むことが明らかになっていた。
【参考】【アメリカ】CVSヘルス財団等、学生の電子たばこ喫煙防止プログラム無償提供に3.3億円拠出。教室で授業
【参照ページ】FDA finalizes enforcement policy on unauthorized flavored cartridge-based e-cigarettes that appeal to children, including fruit and mint
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