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【ドイツ】2019年の再エネ発電割合が46%と過去最大。褐炭・石炭が大幅減。原子力も減少

 独研究機関フラウンホーファー研究機構は1月6日、2019年のドイツの年間発電レポートを発表した。再生可能エネルギー割合が42.2%と過去最大。水力を含めると46.0%となった。なかでも風力発電が大きく伸びた。一方、石炭火力と原子力発電はいずれも減少。特に、二酸化炭素排出量が多くドイツの安定電源となってきた褐炭火力発電と初めて大規模に減少。無煙炭石炭火力も大きく下がった。

 ドイツの電力事情については、政府が脱原発を進めたことによって、石炭火力発電への依存が高まっていると主張する日本人コラムニストもいる。確かにドイツ政府が2022年までの脱原発を表明した2011年から2013年までは石炭火力発電の割合が増加した。しかし、その後2019年まで一貫して石炭火力発電の割合及び発電量は減少を続け、同時に原子力発電量も減った。一方、風力が16TWh増え、再生可能エネルギーへのシフトが大幅に進んだ。

ドイツの発電量の推移
(出所)Fraunhoferのデータを基にニューラル作成

 ドイツでは、石炭の中でも炭化度が低く燃焼時の二酸化炭素排出量や大気汚染物質排出量が多い「褐炭」での発電量が多かった。しかし2019年には30TWh減、同時に炭化度の進んだ「無煙炭」火力発電も27TWh減少した。天然ガス火力も増減双方があるものの2019年は14TWh増。原子力も脱原発政策のもとで2011年からほぼ半減した。

 一方、一貫して増えてきたのは再生可能エネルギー。とりわけ風力発電は127TWhと褐炭と無煙炭合計の火力に迫る勢い。それを太陽光が47TWhで追っている。バイオマスも44TWhと増えてきた。

 また、ドイツの電力事情については、他国からの電力輸入に頼れるため脱原発が可能との意見もある。しかし、実際にはドイツは大幅な輸出超過になっており、国内に豊富な設備容量を抱え、発電した電気をオランダ、スイス、オーストリア等に輸出している。再生可能エネルギーは発電が不安定になりやすいが、輸出という手段を活用できることで国内で再生可能エネルギー電源を推進しやすい側面はある。但し、再生可能ネルギーの発電好条件のときには、発電総量が増え売電価格が下がるため、輸入単価よりも輸出単価のほうが低くなる傾向が過去数年出ている。

 ドイツの電力事情については、誤った日本語コラム記事が散見される。正しい情報を掴むことが重要となる。

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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