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【日本】金融庁、東証の市場区分見直しで、TOPIXの採用銘柄も絞る方向。2022年上半期を目途

 金融庁は12月27日、東京証券取引所の市場区分見直しを検討していた金融審議会市場ワーキング・グループ「市場構造専門グループ」の検討内容を最終的にとりまとめ、答申結果を発表した。現在、東証一部の全銘柄を対象にしている株式インデックス「TOPIX」の区分も見直すとした。TOPIXは現在、数多くの機関投資家や投資信託でベンチマークとして採用されており、実現すると非常に大きな影響となる。

 今回の発表では、東京証券取引所に現在開設されている5つの市場区分を、3つに再編することが柱となる。現在の5つの区分は、「東証一部(約2,100社)」「東証二部(約500社)」「ジャスダック・スタンダード(約700社)」「ジャスダック・グロース(約50社)」「マザーズ(約300社)」。上場企業にとって、「東証一部」が圧倒的な花形のイメージが強く、老舗企業もベンチャー企業も最終的に東証一部を目指す傾向にある。そのため、現在東京証券取引所に上場している企業のうち、半数以上が東証一部に上場している状態が生まれている。今回の答申報告書では、現在の区分は、「各市場区分のコンセプトは曖昧であり、多くの投資家にとって利便性が低い」と判断した。

 今回提示された再編では、まず大手企業のみで構成する「プライム市場」を新たに創設する。既存の東証一部上場企業は、自己選択により引き続きプライム市場に上場が可能だが、流通時価総額等の上場・退出基準を厳格化し、一定の移行期間を設けた上で基準を満たさない企業は、プライム市場からそれ以外の2つに転出させる。結果的に、プライム市場に残れない企業が出てくる。また、プライム市場の上場企業には、他の上場企業よりも厳しいコーポレートガバナンス・コードを適用し、コーポレートガバナンスのレベルを上げる。

 プライム市場での上場・退出基準では、東証一部への上場を維持できる現行の「時価総額20億円」や、東証一部への上場基準となっている「流通株式の比率35%以上」よりも大幅に引き上げる考え。

 残りの2つの市場区分は、「スタンダード市場」と「グロース市場」。スタンダード市場には、現在の東証二部とジャスダック・スタンダードの上場企業を想定し、コーポレートガバナンス・コードの対象とする。ジャスダック・スタンダードの上場企業は現在、コーポレートガバナンス・コードの基本原則のみが適用されているが、今後は全原則が適用される。グロース市場は、ジャスダック・グロースとマザーズの上場企業を想定し、主にリスクの高いベンチャー企業が上場する市場区分となる。プライム市場、スタンダード市場、グロース市場の名称は、今後変更させる可能性もある。

 東京証券取引所を代表する株式インデックス「TOPIX」については、主にプライム市場から選定するが、他の市場区分からも選ばれる可能性がある。基準としては、浮動株の定義を見直したうえで、新たな浮動株の定義を用いて計算される「流通時価総額(浮動株時価総額)」を基準とする見込み。現行とは異なり、日本取引所グループがTOPIX採用銘柄を最終決定する体制となることから、銘柄選定の独立性や公平性の確保が必要とした。

 また、TOPIXの対象銘柄の減少が予想されることから、外れる銘柄への影響を抑えるための経過措置も設ける考え。具体的には、一定の時期に機械的に対象から外すのではなく、徐々に組入比率を低下させ、数年程度かけ慎重に移行していくとした。

 今回の一連の改革の実施時期については、「2022年上半期を目途」とした。

【参照ページ】金融審議会市場ワーキング・グループ 「市場構造専門グループ」報告書 の公表について

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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