チリのキャロライナ・シュミット環境相は12月11日、国連気候変動枠組条約第25回マドリード会議の場で、2020年中に二酸化炭素排出量の自主的削減目標(NDCs)を引き上げ、2050年までに二酸化炭素ネット排出量をゼロ(カーボンニュートラル)にすることにコミットするイニシアチブ「Climate Ambition Alliance」の最新加盟機関数を発表した。チリはCOP25の議長国。
2050年までのカーボンニュートラルは、パリ協定の目標達成のためにコミットする目標という考え方が国際的に定着してきている。
2020年までのNDCs引き上げに加盟した国は、全部で73ヵ国。9月の国連気候アクション・サミットでの59ヵ国から14ヵ国増えた。加盟国は、スイス、ノルウェー、ウクライナ、メキシコ、パキスタン、モンゴル、ネパール、アルゼンチン、チリ、エチオピア等。また2020年までのNDCs引き上げのための政府内手続きを開始すると宣言した国は、英国、フランス、ドイツ、オランダ、ルクセンブルク、スペイン、ポルトガル、デンマーク、スウェーデン、フィンランド、アイスランドの11ヶ国で、9月から変わらず。
一方、2050年までの排出ゼロに加盟した国は、全部で72ヵ国とEU。9月の国連気候アクション・サミットでの65ヵ国から6ヵ国増えた。英国、フランス、ドイツ、イタリア、スイス、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、スペイン、ポルトガル、オーストリア、デンマーク、スウェーデン、フィンランド、アイルランド、アイスランド、ニュージーランド、メキシコ、アルゼンチン、チリ、コロンビア、ペルー、パキスタン等。
2050年までの排出ゼロに加盟した州政府は、米カリフォルニア州、米ニューヨーク州、米ハワイ州、英スコットランド、独テューリンゲン州、スペイン・カタルーニャ、スペイン・バスク州、スペイン・ナバラ、ベルギー・ワロン地域、ベルギー・ブリュッセル首都地域、豪ビクトリア州、豪クイーンズランド州、豪サウスオーストラリア州、豪オーストラリア首都特別地域(ACT)の14地区。
2050年までの排出ゼロに加盟した県・市政府は、全部で398。日本では、東京都、神奈川県、岩手県、宮城県、山梨県、長野県、三重県、大阪府、徳島県、熊本県、横浜市、京都市、小田原市、豊田市、那須塩原市、郡山市、生駒市、久慈市、一戸市、二戸市、みよし市、秩父市、軽米町、洋野町、葛巻町、普代村、九戸村、野田村の28自治体。
但し、広域自治体や県・市政府による宣言には、国の宣言とは意味が異なることが多い。国の場合は、国内での排出量をゼロにする。一方、自治体の場合は、自治体域内の排出量をネットゼロにする場合と、自治体を一つの「会社」のように捉え、自社での排出量のみをネットゼロにする場合の2通りがある。前者で行くと、域内の石炭火力発電所を閉鎖するのかという話になるが、後者は域内に石炭火力発電所があっても、自社の調達分のみ再生可能エネルギーで賄えば目標は達成できる。日本の自治体からの宣言は後者が多い。
【参考】【国際】65ヶ国とEU、2050年までのCO2ゼロ宣言。東京都と横浜市含む世界102都市も宣言(2019年9月26日)
【参照ページ】ANNEX ENHANCED AMBITION IN NATIONAL CLIMATE PLANS
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