ノルウェー認証大手DNV GLは12月3日、液化石油ガス(LPG)燃料船に対し、船舶に付与される証明書「Class Notation」を発行することを決定したと発表した。DNV GLは、国際船級協会連合(IACS)に加盟する船級協会。船級協会は、造船された船舶に対し、国際条約や協会規則に適合していることを証明する「船級」を付与することができる機関。
海運分野の国際機関である国際海事機関(IMO)は2018年、2050年までに海運業の二酸化炭素排出量を半減する目標を設定。それに向け海運事業者は、低炭素海運の道筋を模索する必要が出てきている。現在、低炭素海運燃料の動きとしては、重油から液化天然ガス(LNG)へのシフトを模索する必要が出ているが、DNV GLは液化石油ガス(LPG)についても需要が出ると判断した。LNGはメタンやエタンが原料、LPGはプロパンやブタンが原料。
【参考】【国際】国際海事機関、海運業のCO2削減長期目標採択。2050年までに半減(2018年4月19日)
LPG燃料船は、大気汚染物質の硫黄酸化物(SOx)をほぼゼロにでき、二酸化炭素排出量も重油に比べ約17%削減できる。また、LPG用の内燃設備は、将来のアンモニア燃料への置換が比較的容易にできる。アンモニア燃料は、二酸化炭素排出量がゼロで、将来の船舶燃料として期待されている。
IMOの規則「IGF Code」では、LNG以外の代替燃料は、「代替設計アプローチ」という特別なルールがかけられており、従来燃料と同等の安全性や信頼性が確認された船舶のみに使用できることとなっている。そのため、DNV GLは、適合性を示すClass Notation「Gas fuelled LPG」を発行できるようにすることで、海運事業者のLNG燃料船導入を加速していきたい考え。
【参照ページ】New DNV GL class notation helps to boost LPG as ship fuel
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