気候変動ファイナンス推進イニチアチブ「Climate Policy Initiative」は11月7日、気候変動関連投資の包括的な概況をまとめた2019年版レポート「Global Landscape of Climate Finance」を発表した。過去6年間のデータに基づき、気候変動による最悪の事態を避けるためには、グローバルでの気候ファイナンスの急速な成長と規模拡大に向け、国家単位でより高い目標を掲げ、推進する必要があるとした。
脱炭素への移行に向けた取り組み
低炭素で気候変動に強い経済への移行を実現するには、全ての金融機関が省エネ、気候変動適応、土地利用へのファイナンスを増やす必要があるとした。公的部門や慈善財団等は、規制とブレンデッドファイナンスを通じて、民間金融を促進する重要な役割を担うと分析。さらに、脱炭素に向け、低コストでの削減機会のみを追い求めるのではなく、新技術の研究開発も行う必要があると強調した。
全ての金融機関におけるパリ協定との整合性
公的金融機関は、政府との戦略的協業、最新の投資パイプライン、リスク管理、資産評価、アセットアロケーションの再評価等が必要だとした。一方、民間金融機関は、気候変動リスク測定、情報開示、リスクマネジメント、リスク軽減、二酸化炭素排出量の高い経済活動からのダイベストメント等が必要だとした。
資本市場と銀行のグリーンファイナンスへの移行
同イニシアチブは、銀行による化石燃料への投融資は、気候変動に大きな影響を与えると指摘。気候ファイナンスにおける資本市場全体の役割の重要性を強調した。
気候ファイナンスの有用性評価へはより多くのデータが必要
気候ファイナンスの有効性評価に適切なリソースとメソッドは、まだ十分でなく、差し迫った懸念とした。実質的なメリットに関するデータを、幅広いステークホルダーから収集する必要があるとした。
【参照ページ】Global Landscape of Climate Finance 2019
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