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【国際】IMF、各国にカーボンプライシング導入推奨。2030年には1トン75米ドル。「気候変動は現実の脅威」

 国際通貨基金(IMF)は10月10日、気候変動は現実の脅威となっている一方、対策が遅れており、各国の財務相に対し、税制や政府歳出予算を駆使し、気候変動を緩和するような政策を打つことが重要との声明を発表した。特に、二酸化炭素排出量に応じて課税するカーボンプライシング(炭素税)制度が最も有効との見方を示した。

 IMFは、カーボンプライシングにより、エネルギー消費量を削減し、再生可能エネルギーにシフトする経済的インセンティブが付与されると主張。但し、公平で経済成長を阻害しないような制度設計をしなければ政治的に導入が難しくなると注文を付けた。また政治的な障壁を下げるためにも、カーボンプライシングで得た歳入の使い道を賢く選択する必要があり、他の減税、気候変動に脆弱な家庭や地域への支援、再生可能エネルギーへの投資拡大等がオプションとなりうるとした。

 世界ではすでに約50ヶ国がカーボンプライシングを導入しているが、1t当たり2米ドル程度に留まっている。IMFは、カーボンプライシングの価格目安については、2030年には1t当たり75米ドルにまで引き上げる必要がると指摘した。それにより、石炭火力発電に依存している地域は電気料金が最大43%、ガソリン料金も14%上がるとの見通しを伝えた。

 またIMFは、カーボンプライシングにより影響を受ける業界の労働者に対し、政府が支援する必要があるとも話した。カーボンプライシングが経済全体に与える影響については、スウェーデンの例を挙げ、同国では1t当たり127米ドルのカーボンプライシングを導入し、1995年比で二酸化炭素排出量を25%削減したが、経済は75%拡大したと言及した。

 加えて、低炭素型の商品には減税し、高排出型の商品には課税する「フィーベート」制度の導入も推奨した。同制度は、自動車や電力の分野で導入が検討されているが、それ以外にも農業、林業、資源採掘業、セメント、国際海運、国際航空でも導入を考えるべきとした。

【参照ページ】Fiscal Policies to Curb Climate Change

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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