JERAは10月9日、台湾苗栗県の沖合に計画している「フォルモサ2洋上風力発電事業」の権益49%を、豪投資銀行マッコーリーから取得したと発表した。JERAは、東京電力ホールディングスの発電子会社である東京電力フュエル&パワーと中部電力の折半合弁発電子会社。
台湾では現・蔡英文政権発足後、脱石炭火力・脱原発を掲げ、太陽光発電と洋上風力発電を急速に推進。洋上風力発電では、東アジア最大の成長と言われている。今回計画中のフォルモサ2洋上風力発電所は設備容量376MW。風力タービンは、シーメンスガメサ・リニューアブル・エナジー製8MW47基で構成。2019年10月に着工し、2021年末から商業運転を開始する予定。
フォルモサ2の当初の権益構成は、マッコーリーが75%、台湾風力開発Swancor Renewable Energyが25%。今回、マッコーリーが49%をJERAに売却し、マッコーリーの比率は26%に下がるものの、当初からの権益保有者2社で権益51%を維持する。今回のディールでは、日本政策投資銀行(DBJ)が、「特定投資業務」制度を活用し、JERAが設立した同プロジェクト出資会社「JERA Formosa 2 B.V.」の優先株に投資する。
JERAは、同じく苗栗県の沖合で一部操業を開始している「フォルモサ1洋上風力発電所(設備容量128MW)」にも出資している。同発電所は、Swancor Renewable Energyが権益100%持つ形で受注したが、2017年にマッコーリーに50%、オーステッドに35%を売却。さらに2018年にJERAが、マッコーリーから25%、Swancor Renewable Energyから7.5%を購入していた。また、Swancor Renewable Energy自身は、当初親会社Swancor Holdingsの100%子会社だったが、95%を米投資会社Stonepeak Infrastructure Partnersが95%を購入。背景には、フォルモサ3の受注に失敗し、2022年から2025年まで開発案件がゼロとなり、単独での資金繰りが難しくなったため。
【参照ページ】台湾苗栗県における洋上風力発電事業への参画について
【参照ページ】Macquarie Capital strengthens partnership with leading Japanese utility, JERA on its offshore wind projects in Taiwan
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