ノルウェー公的年金基金GPFGの運用を担うノルウェー銀行投資マネジメント部門(NBIM)は10月8日、2020年から2022年までの運用戦略を発表。株主総会での議決権行使賛否を株主総会前に事前公表すると表明した。また、高いリターンを追求するため、不動産や再生可能エネルギーインフラへの投資を拡大すると発表した。GPFGは運用資産総額100兆円を超える世界有数の機関投資家。
NBIMは、来年からの3カ年戦略の中でも、株主としてのアクティブ・オーナーシップ(物言う株主)を強く打ち出した。ガバナンス強化や投資先企業のサステナビリティ戦略強化のため、積極的に議決権を行使していく。今回の戦略でも、議決権行使に著しい障壁がある場合を除き、全ての投資先企業の議決権行使に参加するとした。
議決権行使結果の開示については、欧米の主要機関投資家が取り組んでおり、NBIMも2013年から、株主総会の翌日に議決権を公表してきた。しかし、透明性をさらに高めるため、3カ年戦略の最終年である2022年までに、議決権行使の賛否を株主総会の前に公表すると宣言した。
また、株主としてのエンゲージメントを引き続き積極実施していく。長期的な投資リスクを削減するため、看過できないESG課題についてエンゲージメントを図り、改善しない場合は投資引揚げ(ダイベストメント)すると明言した。また、企業の情報開示も促す。
不動産アセットクラスでの投資では、ファンド全体の5%まで増やす予定。市場としては、ニューヨーク市、ボストン、ワシントン、サンフランシスコ、ロンドン、パリ、ベルリン、東京ニューラルに関心。再生可能エネルギーインフラ投資では、規制環境や市場見通しが良い欧州と北米に焦点を当てる。
【参照ページ】Strategy for 2020-2022
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