米投資運用Nephila Holdingsの天候リスク移転ビジネス子会社Nephila Climateは10月4日、再生可能エネルギー電力購入の新方式「Proxy Generation Power Purchase Agreement(pgPPA)」を用いたプロジェクトを発表した。米コロラド州のScout Clean Energyが、テキサス州に建設中の風力発電所180MWを、専門損害保険大手Allianz Global & Specialtyのオルタナティブ・リスク移転事業部門に売電する。
pgPPAは、「Virtual PPA(vPPA)」の派生版。再生可能エネルギーのような分散型電源については、再生可能エネルギーを購入したい需要家が参加した多様なスキームが考案されている。その中で最もシンプルなものは、需要家が再生可能エネルギー発電所建設プロジェクトに資金を提供し、当該発電所から長期固定価格で電力を購入する「PPA(電力購入契約)」がある。
しかし、需要家が電力を購入する場合に小売企業を通さなければならないケースや、電力販売が特定の企業に独占されているような規制のある地域では、PPAを用いることができない。その場合に、再生可能エネルギー発電所が一旦、電力会社に市場価格で売電し、同時に電力会社から電力と再生可能エネルギー証書を長期固定価格で購入するという間接購入スキーム「vPPA(Virtual PPA)」が普及している。
但し、Virtual PPAでは、発電所から電力会社への市場連動の売電価格よりも、電力会社から需要家への固定売電価格のほうが高い場合、企業にとっては電力価格が割高となる。このように需要家は市場価格の変動リスクを負っている。新スキーム「pgPPA」はこれを克服するため、発電所から電力会社への売電価格を固定にし、当該価格と市場価格の差によるリスクを第三者の移転する。
今回のプロジェクトでは、Nephila Climateがリスクテイカーとなる。リスク算定は、REsuretyが担当する。Nephila Climateは2019年前半、売電価格ではなく、売電による売上全体を固定化する別のスキーム「Proxy Revenue Swap(PRS)」も、Scout Clean Energyに提供していた。
【参照ページ】Nephila Climate Adds Proxy Generation PPA To Its Suite Of Hedging Structures For Renewable Energy
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