米エネルギー経済・財務分析研究所(IEEFA)は10月1日、石炭火力発電が強い米国南東部における電力シフト動向をまとめた報告書「Coal-Fired Power Generation Is In Freefall Across the Southeast U.S.」を発表した。同報告書はアラバマ州、フロリダ州、ジョージア州、ケンタッキー州、ミシシッピ州、ノースカロライナ州、サウスカロライナ州、テネシー州、バージニア州のデータと業界の動向に基づき作成。近い将来、多くの州が石炭火力発電から脱却する可能性があるとした。
同地域では、2008年から2018年に水圧破砕や水平掘削等によるシェールガス供給が急増したことにより、石炭燃料からの不可逆的な移行が運命づけられたと分析。たとえば2008年の同地域は石炭から52%の電力を発電しており、米国平均48%と比して高い石炭依存傾向にあった。しかし、2018年までにはその割合は22%にまで低下し、米国平均の28%を下回る加速的な移行を示す結果となった。特にフロリダ州、ミシシッピ州、バージニア州ではすでに総発電量の15%を下回り、完全脱却に向かっている。今回の調査対象6州では、ケンタッキー州だけが石炭火力電力の割合が50%以上あるが、それでも過去10年間で36%減少した。
同報告書では対象地域を詳細に調査し、競争上の課題も分析した。石炭火力が脱却トレンドにあるのに対して、太陽光発電への移行傾向は高まりを見せており、特に21GW以上の設備容量を有する太陽光発電所の建設とは競合関係にある。さらに、ジョージアパワーの原子力発電2基の新設、バージニア州他における企業の再生可能エネルギー需要の高まり、NextEra Energyの子会社フロリダパワーやLightの米国の主要太陽光発電所への躍進等、石炭火力発電の地位は低下している。
【参照ページ】IEEFA report: Coal-fired power generation collapsing across Southeast U.S., longtime bastion of the industry
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