決済大手マスターカードは9月26日、リーバイ・ストラウス、マークス&スペンサー、VFコーポレーション、BSRと協働し、アパレル工場労働者向けに、給与のデジタル送金プログラムを発表した。安全かつ一貫した賃金の支給を通じ、工場労働者とその家族の生活水準の向上の支援を目指す。
現在、後進国の約85%となる2億3,000万人が、給与を現金で受け取っといる。現金支給には盗難の危険や、電話料金等の請求書支払いのための何kmも移動しなければならず休暇まで必要となる場合もある。現金支給では貯蓄も困難。同プログラムでは、こうした課題を解決するため、エジプトとカンボジアを対象にデジタル支払いの試験運用を実施。現金支給が基本となっている工場労働者の給与支払いを、口座振り込みに切り替え、労働者の生活費支払いをデビットカードやプリペイドカードに移行した。
また、工場労働者の金融リテラシー向上に向けたトレーニングプログラムも用意。家計の管理や家計に関する家族間のコミュニケーション方法を指導することで、工場労働者の円滑な経済活動を支援し、生活の質の向上を狙う。衣服労働者の68%を占める女性に利益をもたらすことが見込まれる。
同プログラムは企業側にもメリットがある。持続可能な労働慣行と労働者の福利厚生の重要性が増す現代において、給与支払いのデジタル化は、コスト削減や効率性の改善、透明性の向上に繋がる。実際に、BSRの「HERfinance」プログラムで収集されたデータによると、給与支払いのデジタル化に移行した工場では、賃金計算と支出管理部門スタッフの労働時間を53%節約できたという。
【参照ページ】Mastercard Partners with Levi Strauss & Co., Marks & Spencer and VF Corporation on Programs to Help Garment Factory Workers Build More Secure Financial Futures
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