短寿命気候汚染物質(SLCP)削減のための気候変動と大気汚染防止の国際パートナーシップ(CCAC)のハイレベル会合は9月22日、次の10年でSLCPの大幅削減に取り組むことで合意。「2030年ビジョン声明」を採択した。SLCPは、大気汚染物質の中で、気候変動効果も大きい物質で、同物質にはメタン、黒色炭素(ブラックカーボン:BC)、ハイドロフルオロカーボン(HFC)、対流圏オゾン等がある。
CCACは、国連環境計画(UNEP)、米国、カナダ、スウェーデン、メキシコ、バングラデシュ、ガーナの6ヶ国政府が2012年に発足。その後加盟国は増加し、現在は日本を含む66ヶ国が加盟している。
SLCPは、二酸化炭素等の長寿命気候汚染物質に比べ、大気中での滞留時間が短く、気候変動への悪影響が大きい。そのため、超汚染物質とも呼ばれる。今回の合意では、気温上昇を1.5℃に留めるために必要な量のSLCPを削減することで合意した。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の「1.5℃特別報告書」によると、気候変動を1.5˚C以下に抑えるためには、黒色炭素を2030年までに35%、メタンを2030年までに37%、HFCを2050年までに70%から80%削減する必要があるとしている。
今回の合意では、この削減量を上回る目標合意を目指す。現在、黒色炭素を2030年までに60%(可能であれば80%)、メタンを2030年までに37%、HFCを2030年までに90%削減する方向で議論している。SLCPの削減が強化されることで、2030年までに大気汚染による240万人の早期死亡や年間5,200万tの農業損失を回避でき、2050年までに気温上昇を0.6℃減らすことができるという。
【参照ページ】Climate and Clean Air Coalition leaders: We must significantly reduce short-lived climate pollutants by 2030
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