米証券取引委員会(SEC)は9月6日、上場企業の株主総会での株主提案の除外審査について、以前から実施していた書面での回答ではなく、口頭での回答に切り替える方針を発表した。米ESG投資推進NGOのCeresは、株主が企業に対しESG分野でエンゲージメントすることを制限する行為と非難した。
米国での株主提案では、SECが不適格な株主提案を株主総会アジェンダから却下する役割を担っている。具体的には、発行体がSECルールに違反している株主提案と判断した場合、SECに申請。SECは、株主提案を実施した株主側から書面で意見を受け取った上で審査し、最終的にSECの判断を書面で回答している。しかし、今回の発表では、SECは書面ではなく口頭で回答することを基本とし、場合によっては書面で回答することもあるとした。
米国では、ESG投資が浸透する中、年々株主総会で株主側から発行体に対し、気候変動関連の情報開示やアクション、ダイバーシティ推進等の株主提案案件が増えてきている。一方、その内容に反発する発行体は、SECに申請することで、株主提案の却下を図ってきている。トランプ政権下のSECは、株主ではなく発行体側に有利な政策を打ち出してきている。
Ceresは今回のSECの措置について、株主提案プロセスの説明責任と透明性を大きく損なうものと批判。ESG課題について株主側が積極的にエンゲージメントすることを阻んでいると反発している。SECが今後、今回発表のルール変更を最終決定するかを注視するとした。
【参照ページ】Announcement Regarding Rule 14a-8 No-Action Requests
【参照ページ】New SEC Policy Threatens Accountability and Transparency in Shareholder Proposal Process
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