運用世界大手米JPモルガン・アセット・マネジメントは6月27日、社債でのESG投資におけるパフォーマンス分析結果を発表した。発行体のESGスコアは、社債投資においても投資パフォーマンスを向上させると結論づけた。
JPモルガン・アセット・マネジメントは今回、投資適格債、ハイイールド債、新興国債の3つで、MSCIのESGスコアを加味した「ティルト戦略」の定量分析を実施。従来から活用されている信用格付に、ESGスコアを重ねる投資アプローチを分析に用いた。ESGスコア活用にあたり、ESGの各3カテゴリーと信用格付の相関を調べたところ、Eでは正の相関が確認される一方、Gは2015年3月以降、負の相関となっていた。ESGの3指数の相互相関は非常に弱かった。
分析結果では、MSCIのESGスコアを加味した場合、ドローダウンとボラティリティを低減させる効果があることがわかった。超過リターンについては、ESGスコアを加味することでリターンを押し上げる効果があったが、取引コスト(Transaction Cost)を考慮すると、ハイイールド債や新興国債ではリターンを下がった。MSCIによると、総合パフォーマンス評価となるリスク調整後リターンの観点では、パフォーマンスには影響を与えない、もしくは部分的に改善する効果が確認された。
MSCIは、今回の分析の3つの問いとなる「ESGスコアは社債投資プロセスを強化するか」「ESGスコアは投資格付に付加できるか」「ESGスコアを加味することでアルファを得られるか」の全てについて、ポジティブな結果が得られたと結論づけた。
【参照ページ】DOES AN ESG TILT IMPROVE CORPORATE BOND PORTFOLIO OUTCOMES?
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら