米エネルギー経済・財務分析研究所(IEEFA)は8月1日、風力発電プロジェクトがオハイオ州ポールディング郡が発行する信用格付の格上げに寄与したと分析した。ムーディーズは2018年12月、同郡の一般財源債の信用格付をA1からAa3に1段階格上げしていた。同郡はウィンドファーム「Timber Road Wind Farm」のIIとIIIをそれぞれ2013年、2018年に設置。加えて2014年には「Blue Creek Wind Farm」を稼働させ、総計設備容量は188台、275MWに達した。
同郡は、農業が課税対象経済活動の47%を占める地域で、風力発電所建設以前は、借入増でしか経済成長に必要な資金を確保できなかった。しかし、風力発電所建設に伴い、20年間から25年間の長期に渡る安定的な財源(税代替支払い:PILOT)が誕生。2013年に風力発電から得られるPILOT歳入は75万米ドルだったが、2018年には95万米ドルにまで拡大。現在は1,000万米ドルに近づきつつある。PILOTによる歳入は学校設備や教育環境整備を中心に、その他にも図書館やメンタルヘルス施設、救急サービス等、18もの自治体サービスの充実に充てられる。さらに、風力発電所建設やメンテナンスにより新たな雇用創出にも繋がるため、経済成長の後押しにもなった。
従来、地方債の格付では、風力発電や太陽光発電が財政に与える影響は加味されなかった。今回の格上げを受け、IEEFAは、政府予算編成者や環境NGO、公務員、地元事業者、地域社会奉仕事業者等に対し、今回の成果への注目を促している。
【参照ページ】Wind projects improve county bond ratings in Ohio
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