国際環境NGOの世界資源研究所(WRI)は7月17日、2050年までに世界人口が100億人を超える状況を見据え、未来の持続可能な食糧に関するレポートを発表した。今回のレポートは、国連環境計画(UNEP)、世界銀行、国連開発計画(UNDP)、仏国際農業開発研究センター(CIRAD)、仏国立農学研究所(INRA)とパートナーシップ締結の上、WRIが作成したもの。現状の食糧システムでは対応できないとし3つのギャップを指摘。迅速な改革を求めた。
まず、食糧の量に関するもの。2010年から2050年までに必要な食糧量は56%増加する。続いて、2010年から2050年までにインドの約2倍に相当する農地が新たに必要となる。そして、2050年までに現状よりも農業からの二酸化炭素排出量がこのままだと11Gt増えてしまい、パリ協定の目標達成から遠ざかってしまう。
今回のレポートは、5つの改革を提言。まず、食品廃棄物や食品ロスを削減することによる需要抑制。また、農業生産性を向上することで、農地拡大を伴わずに生産量を増加させることが重要だとした。加えて、養殖漁業の促進。また、農法改善やイノベーションによる農業からの二酸化炭素排出量削減。そして、生態系を保護し、森林破壊を伴わない農業の実現。今日、森林破壊は、紙やパルプ以上に、大豆、パーム油、牛肉の農地や放牧地確保のために引き起こされている。
また、飼料のための農地を大量に必要とする牛肉等の反芻動物肉については、現在の消費大国は40%消費を抑制する必要があるとも言及した。
【参照ページ】New research outlines 5-course ‘Menu of Solutions’ to achieve sustainable food future
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