国連環境計画金融イニシアチブ(UNEP FI)と国連の適応国際委員会(GCA)は7月17日、気候変動適応ファイナンスに関する包括的な報告書を発表した。現状の法規制や事業慣行では気候変動適応に適切に対応できていないとし、多くの変革が必要としている。今回のレポート作成には、社会・環境インパクトを重視する米営利企業「Benefit Corporation」に指定されているClimate Finance Advisors(CFA)が主導的役割を果たした。
GCAは、潘基文前国連事務総長時代に発足。ビル&メリンダ・ゲイツ財団のビル・ゲイツ理事長と世界銀行のクリスタリナ・ゲオルギエヴァCEOが共同議長に就いている。GCAは2019年9月、国連総会に、包括的な気候変動適応報告書を提出することになっている。それに向け、UNEP FIはGCAに対し、気候変動適用ファイナンスの観点からのインプットを行うために、気候変動適応ファイナンスに関する報告書作成を義務付けられていた。
UNEPが2018年12月に発表した報告書によると、気候変動緩和とは別に、気候変動適応のために1,400億米ドルから3,000億米ドルの資金が必要となる。今回の報告書では、「法規制」「気候リスクマネジメント慣行の開発、採択、導入」「指標とスタンダードの開発と採択」「全金融関係者のキャパシティ・ビルディング」「投資機会のハイライトと促進」「政府機関による気候変動適応投資の加速化」の6つについて提言をまとめた。
GCAの活動には、英国、ドイツ、カナダ、オランダ、中国、インド、インドネシア、ベトナム、デンマーク、南アフリカ、エチオピア、バングラデシュ、マーシャル諸島、メキシコ、ウズベキスタン、グレナダ、コスタリカ、セネガルの20ヵ国が発足国として参加。そのうち7ヵ国は、気候変動に脆弱な国。
【参照ページ】UNEP FI LAUNCHES PAPER ON ADAPTATION FINANCE FOR THE GLOBAL COMMISSION ON ADAPTATION
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