国連食糧農業機関(FAO)は7月10日、航空業界に対し、土壌炭素貯留によるカーボンオフセットを提唱するレポートを発表した。国際民間航空機関(ICAO)は2019年から国際線のカーボンオフセット及び削減スキーム(CORSIA)を導入している。FAOは、このカーボンオフセットを、世界の二酸化炭素排出量の大きな原因となっている農業による土地劣化からの排出削減に振り向けるよう呼びかけた。
【参考】【国際】ICAO理事会、国際線の二酸化炭素排出量算出・報告ルールを決定。2019年から導入(2018年7月13日)
地球上の炭素は、大気中以上に、地中の土壌が貯留している状態にある。近年、この土壌中の炭素は、耕起による土壌撹乱や大型農業機械の導入により、土壌侵食や圧密による土壌劣化が発生。また、森林地や泥炭地等の土壌炭素が豊富な土地を農地に転換する土地利用変化も生じている。これらの不適切な農業により、土壌炭素が三酸化炭素等の形で大気中に放出されている。FAOによると、その量は、航空産業が排出する二酸化炭素量の60倍にもなるという。
そのためFAOは、土壌オーガニック炭素(SOC)の貯留に配慮した持続可能な土壌マネジメント(SSM)に必要性を強調している。ICAOの新制度では、国際線運航にはカーボンオフセットが義務付けられていくため、SSMによるオフセットにも目を向けるよう訴えた。
【参照ページ】RECSOIL: recarbonization of global soils to offset global emissions
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