世界保険大手スイスのチューリッヒ保険は6月25日、気温上昇を1.5℃未満に抑える企業誓約「Business Ambition for 1.5°C – Pledge」に保険会社として世界で初めて署名した。同時に、投融資と損害保険引受の石炭ポリシー、タールサンドポリシー、シェールオイルポリシーを強化した。
「Business Ambition for 1.5°C – Pledge」は、国連グローバル・コンパクト(UNGC)、科学的根拠に基づく削減目標イニシアチブ(SBTi)、We Mean Businessの3者が6月13日に発表したもの。今後の気温上昇を2℃ではなく1.5℃に抑える目標を設定するようコミットメントを企業に求め、署名を呼びかけている。
【参考】【国際】国際機関・NGO、企業に1.5℃目標達成に即すCO2削減目標設定を要請(2019年6月19日)
石炭ポリシーの強化では、一般炭を対象とし、投融資と損害保険引受の禁止対象基準を引き上げた。新基準では、一般炭採掘からの売上が30%以上もしくは採掘量が年間2,000万t以上の企業、石炭火力発電の発電量が30%以上の企業、一般炭採掘所もしくは石炭火力発電所の新設を進めている企業、タールサンドからの原油採掘からの直接売上が30%以上の企業、タールサンド製品の輸送を意図したインフラを建設している企業、シェールオイルからの売上が30%以上の企業、シェールオイル火力発電が発電量の30%以上の企業が対象となる。
対象となった企業は、今後2年間、基準に該当しないようにビジネスを転換するエンゲージメントを実施。それでも条件を満たさない場合は、投融資及び損害保険引受が禁止される。
さらに同社は、2022年までに事業電力を100%再生可能エネルギーに切り替えることも発表した。同社はすでに2014年、二酸化炭素排出量ネット排出量ゼロを達成済み。
同社はさらに、使い捨てプラスチックの社内使用の撲滅、紙使用の80%削減も宣言した。
【参照ページ】Zurich signs up to UN business pledge to limit global temperature rise and announces it will use only renewable energy by 2022
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