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【日本】みずほFG、石炭火力発電投融資ポリシーを強化。但しUSC以上へのファイナンスは続行

 みずほフィナンシャルグループは5月22日、「特定セクターに対する取り組み方針」について、石炭火力発電に対する投融資基準を厳格化する改定を行ったと発表した。石炭火力発電に関するファイナンスでは、経済協力開発機構(OECD)の公的輸出信用ガイドライン等国際ガイドライン、導入国のエネルギー政策・気候変動対策、日本のエネルギー政策や法規制と整合することを条件にするとした。また、原則として、超々臨界圧(USC)以上の技術効率のみに限定すると表明した。2018年6月に発表した石炭火力発電セクターポリシーから強化されたが、5月15日に三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)が発表した内容と比べると、気候変動の観点から大きく見劣りする内容となった。

【参考】【日本】MUFG、石炭火力発電新設へのファイナンスを禁止。運用子会社では石炭ダイベストメント設けず(2019年5月17日)

 同社は2018年6月、石炭火力発電に対する融資について、「主として温室効果ガス排出に関わる技術が、同等のエネルギー効率を持つ実行可能な代替技術と比較しても、経済合理性を踏まえて適切な選択肢であるか等を検証したうえで、与信判断を行う」と表明。曖昧な基準で留意する意思だけを示していた。しかし今回のポリシーでは、明確にUSC未満の石炭火力発電についてはファイナンスを禁止することを明確にした。グループのみずほ銀行、みずほ信託銀行、みずほ証券、米州みずほは、7月1日から新ポリシーを適用する。

【参考】【日本】みずほFG、兵器、石炭火力発電、パーム油・木材に関する取引に一定の留意を宣言(2018年6月14日)

 一方、MUFGは5月15日、メガバンク・グループ3社の中で初めて、石炭火力発電所新設へのファイナンスは原則禁止することを決定している。みずほFGは、遅れてポリシーを発表したにもかかわらず、MUFGの内容よりも基準が低く、むしろ批判を集めそうだ。

 同時に今回みずほFGは、「サステナビリティへの取り組みに関する基本方針」を制定し、「サステナビリティ重点項目も特定したと発表。経営基盤に関する内容としては、女性管理職比率や有給休暇取得率、外国人ナショナルスタッフ管理職比率、国内事業所での二酸化炭素排出量等では中期定量目標も示した。だが、肝心の事業分野に係る内容では、「グリーンファイナンス・サステナブルファイナンス額」や「将来に備えた資産形成」と威勢の良いテーマを設定したが、対外的には具体的なアクションや定量目標については説明なし。非常に残念な内容となった。

【参照ページ】サステナビリティへの取り組みに関する推進態勢の強化について

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株式会社ニューラル サステナビリティ

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