国連食糧農業機関(FAO)は5月13日、自然災害に耐えられる農業の重要性を伝える報告書を発表した。自然災害については、大規模災害に注目が集まりやすいものの、旱魃や寒波が頻繁に発生し世界25億人の農家を苦しめていることは見逃されがちとの認識を共有。これら慢性的な自然災害への対応を呼びかけた。
今回の報告書では、投資が少なくて済む簡単な改善で、零細農家の自然災害リスクは緩和できると伝えている。具体的な方策としては、沿岸部にマングローブ林を植えることでの洪水リスク緩和、洪水耐性のある稲作品種の多様化、屋上雨水回収装置や灌漑装置の導入等を挙げた。これらの措置による災害リスク削減効果は、過去研究での算定よりも2.2倍も大きいとした。
また、FAOは、今回挙げた措置により、自然災害リスクを引き下げるだけでなく、農家の生産性向上効果もあると言及。投資対効果は、災害発生シナリオでも3.7倍。災害が発生しない場合でも4.5倍あるとした。一方、現行の政府開発援助(ODA)は、農業のリスク削減分野にはわずか9%しか割かれていないとし、対策強化を促した。
【参照ページ】Reducing disaster risks in agriculture is a win-win for small-scale farmers
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