アパレル世界大手米VFコーポレーションの財団VF財団と、同グループのブランドであるティンバーランドとラングラーは5月8日、リジェネラティブ大規模放牧(Regenerative Ranching)に関する初の包括的研究を行うため7大学に総額150,000万米ドル(約1,600万円)を寄付した。リジェネラティブ大規模放牧とは、土壌の栄養状況や多様性、生物多様性、水循環、生態系、生物作用による炭素隔離、気候変動への耐性を考慮し、農場での自然循環を尊重した大規模放牧方式。ティンバーランドやラングラーは、草食動物の革を製品に用いている。
リジェネラティブの分野では、「リジェネラティブ農業」に効果があることが先行して明らかになっており、これを放牧分野でも活かせないか研究する。今回のプログラムでは、リジェネラティブ大規模放牧によって、放牧のあり方を改善できるかを学問横断的に数年かけて研究する。寄付先には、アリゾナ州立大学(ASU)とミシガン州立大学も含まれる。
【参考】【アメリカ】ゼネラル・ミルズ、2030年までに100万エーカーで「リジェネラティブ農業」展開(2019年3月7日)
リジェネラティブ大規模放牧では、牛等の草食動物が大移動しながら生活する本能を活かし、放牧地の中で特定の箇所に定住させるのでなく、移動させながら飼育するという考え。こうすることで、草が育つ土壌状態を健康的にするとともに、牛にとっても栄養の豊富な草を供給できるのではないかという仮説を試す。草の成長を促進することで、二酸化炭素排出量を固定化する効果も狙う。
今回の研究では、土壌状態、水、二酸化炭素排出量、家畜のウェルビーイング、レジリエンス等12のテーマで調査する。畜産家の所得向上効果も検証する。
【参照ページ】The Timberland® and Wrangler® Brands and the VF Foundation Support Research on Regenerative Ranching Practices to Improve Farmer Well-Being, Soil Health
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