三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は、石炭火力発電事業への新規融資を原則中止する検討に入った。日本経済新聞が4月12日、報じた。日本政府が海外輸出を図り、従来日本のメガバンクや産業界が推してきた「超々臨界圧(USC)」の高効率石炭火力発電も原則融資を中止する模様。USCも含め国内外の石炭火力発電への融資禁止となれば、メガバンクでは日本初。
同報道によると、MUFGは現時点で石炭火力発電所向けの融資残高が約1兆円ある。すでに契約済の案件は、新興国での電力需要を著しく悪化させる可能性のある案件については、例外として融資を続ける方針。それでも新規案件が凍結されれば、石炭火力発電向けの融資残高は2030年度に最大5割減るという。
MUFGは2018年5月15日、グループの事業基本方針となる「MUFG環境方針」と「MUFG人権方針」を制定し、ファイナンスに留意する事業として、石炭火力発電も掲げた。その中では、先進的な高効率発電技術や炭素回収・貯留技術(CCS)等の支持を謳うと共に、グループの銀行及び信託銀行の融資時にはOECD公的輸出信用アレンジメント等の国際的ガイドラインを参考にファイナンスの可否を慎重に検討するとしていた。今回の検討の方針が最終決定されれば、石炭火力への融資制限が一気に強化されることになる。
【参考】【日本】三菱UFJフィナンシャル・グループ、環境・人権方針制定。石炭火力発電にも言及(2018年5月23日)
国際環境NGOも3月19日、MUFGは石炭火力発電への融資残高が世界7位と大きいと警鐘を鳴らしていた。みずほフィナンシャルグループも10位のため、今後の発表に注目が集まる。
【参考】【国際】環境NGO、銀行世界大手の2019年化石燃料融資状況報告書発表。MUFGとみずほ、状況不良(2019年3月22日)
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