欧州委員会は4月9日、フェイスブックが2018年に起こした「ケンブリッジ・アナリティカ事件」後に実施してきたフェイスブックへの事業改善について、フェイスブックが欧州委員会の要求に基づく対応を全て完了したと歓迎の声明を出した。
フェイスブックの対応は複数に渡る。まず、フェイスブックはユーザーの個人情報を活用し収益を得ていることをユーザーに対し明確にすることを約束した。具体的には、利用規約の中に、フェイスブックは個人情報を活用したターゲティング広告の機会を広告主に提供することで、ユーザーには無料でサービス提供しているという文章を盛り込んだ。
また、フェイスブックが提供する個人情報を第三者が利用して引き起こす過失についても、フェイスブックが法的責任を負うこともでも合意。フェイスブックは従来、第三者の行為についてはフェイスブックの責任は免除されるという立場を取っていた。
加えて、ユーザーの関心が高い事項について、フェイスブック側が一方的に利用規約の内容を変えないことも約束した。ユーザーが削除した投稿のシステム内保管、フェイスブックが削除した投稿についてユーザーが抗弁できる制度の確立、ユーザーのアカウント停止の際に事前にユーザーに通告する運用の確立等も約束した。
フェイスブックは4月10日、偽情報(フェイクニュース)でも新たな対策を発表した。今後数ヶ月間、外部専門家と協働し、対策手法を検討する。特に、フェイスブックが現状抱えている問題点を外部専門家とシェアすることで、新たなソリューションの提案を得ていく。同社は、2016年から問題性のあるコンテンツへの対策として「Remove, Reduce, and Inform」戦略を採用。同社のコミュニティ基準に違反する投稿の削除や、問題性のある投稿の拡散防止、ユーザーに投稿者に関する追加情報の表示等も実施している。
【参照ページ】Facebook changes its terms and clarify its use of data for consumers following discussions with the European Commission and consumer authorities
【参照ページ】Consumer Protection Cooperation Action on Facebook’s Terms of Service
【参照ページ】The Next Phase in Fighting Misinformation
【参照ページ】Remove, Reduce, Inform: New Steps to Manage Problematic Content
【参照ページ】People, Publishers, the Community
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら