英ケンブリッジ大学のサステナビリティ・リーダーシップ研究所(CISL)率いるInvestment Leaders Group(ILG)は3月20日、機関投資家に対し、長期志向投資を示す情報を投資家向けに開示するよう促す報告書を発表した。機関投資家及び個人投資家(年金加入者含む)がファンド選択時に判断できる材料が少ないと、現状課題を示した。
ILGに参加しているのは、HSBC企業年金基金、HSBCグローバル・アセット・マネジメント、ステート・ストリート、ピムコ、チューリッヒ保険、ラ・バンク・ポスタレ(仏郵政公社の銀行子会社)、エイゴン・アセット・マネジメント、エーオン(Aon)、ファーストステート・インベストメンツ、ノルデア銀行、ヌビーン・インベストメンツ(Nuveen)、ユニオンバンケールプリヴェ(UBP)の12社。
今回ILGは、運用会社の「長期投資性向」を判断する情報として、「投資信念」「ベンチマーク」「リスク・トラッキング・アクティブ割合」「有価証券保有期間」「ポートフォリオ規模」「スチュワードシップ」「投資プロセス・組織文化」「パフォーマンス・モニタリングと報告」「商業モデルとファンドマネージャーのインセンティブ」「アセットオーナーと運用会社の関係」の10の要素があると設定した。
次に、「長期志向ファンド」を標榜するファンド9つの開示状況を分析。結果、10要素がほとんど説明されていないことがわかった。9つのファンドは、
- Baillie Gifford Long Term Global Growth Equity Fund
- BG (Boussard & Gavaudan) Long Term Value
- BNY Mellon Long-term Global Equity Fund
- Davy Long-Term Growth Fund
- Legg Mason Martin Currie Global Long-Term Unconstrained Fund
- Parvest Bond Euro Long Term (Classic)
- Strategic Investment Advisors Group Long Term Investment Fund Classic
- TKPI Long Term Investment Fund
- UBS Equity Long Term Themes
今回の調査では、運用会社が発信している情報が、公式報告書の中に散財していたりと、投資家向けが使いやすい状況になっていないことも指摘。特に個人投資家は、運用会社と直接話すことが基本的にできず公開情報に頼らざるをえないため、開示の強化を訴えた。
【参照ページ】Working paper finds that better disclosures are needed to assess long-term orientation of investment funds
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