英環境NGOのInfluenceMapは3月22日、エクソンモービル、ロイヤル・ダッチ・シェル、シェブロン、BP、トタルのエネルギー大手5社が、パリ協定採択後の3年間、反気候変動対応関連団体へのロビー活動や資金拠出に10億米ドル(約1,100億円)を投じていたと批判した。エネルギー5社は、気候変動への対応を進めているポーズを見せているが、実態は真逆のことをしていると非難の声を強めている。
今回の活動費では、まず、毎年2億米ドルが、気候変動関連規制を強める動きを抑制、遅延、廃止するロビー活動に使われていた。特にシェブロン、BP、エクソンモービルは、そのようなロビー団体に直接的に資金を拠出しており、ロイヤル・ダッチ・シェルとトタルは気候変動への対応を進めつつも、反気候変動政策を掲げる業界団体アメリカ石油協会に加盟し続けていた。
またソーシャルメディアでの反気候変動政策キャンペーンにも多額を支出していた。エクソンモービルは、5社を主導する形で、2018年の米中間選挙期間中に化石燃料の生産拡大のメリットを伝えるメッセージや気候変動規制を強める住民投票に反対するため、ターゲティング広告をフェイスブックとインスグラムで200万米ドル(約2.2億円)投じていた。
また、5社は、気候変動対策と称してバイオ燃料等への取り組みをアピールしているが、投資額は、化石燃料振興に用いる投資額より遥かに少なく、「気候変動ブランディング」として厳しく糾弾している。InfluenceMapによると、2019年の設備投資額見込みは、石油・ガスが1,100億米ドルなのに対し、低炭素エネルギー向けはわずか36億米ドルだという。
【参照ページ】How the oil majors have spent $1Bn since Paris on narrative capture and lobbying on climate
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