英デジタル・文化・メディア・スポーツ省は3月20日、人工知能(AI)アルゴリズムによるバイアスを調査・監督するための新組織「データ倫理・イノベーション・センター(CDEI)」が4月1日から正式に活動を開始すると発表した。特に金融サービス、求人、地方政府、犯罪によるAI活用での調査を重点的に実施する。アルゴリズムによる差別・偏見を監督する政府部門を設置したのは英国が初という。
英政府は、AIは公益に資すると認識しつつも、AIによる差別や偏見を防止することも重視している。そのため、デジタル・文化・メディア・スポーツ省は2018年6月13日から9月5日まで、CDEIの発足に関するパブリックコメント募集を実施。今回、CDEIの正式発足とともに、今後2年間の活動戦略を公表した。活動戦略は、データ駆動型テクノロジーの現状分析と将来への提言に関する報告書作成、ベストプラクティスに関する報告書作成、CDEI自身のガバナンスや有効性の確認の3つ。
加えて今回、2019年4月からの初年の活動計画と活動ウエイトも発表した。まず、「オンライン・ターゲッティング」の調査が25%で、オンライン広告、検索、ニュースフィード最適化、パーソナライズド・レコメンデーションの手法等を調査。2019年9月には中間報告書を発表し、2019年12月に最終報告書を作成する。続いて、金融サービス、地方政府行政、求人、犯罪に関するアルゴリズムのバイアスの調査が25%で、2019年9月に中間報告書を、2020年3月に最終報告書を発表する。
他には、CDEIの権限の範囲内で取り組むべき機会やリスクについての分析と提言が15%で、2019年秋に最初の報告書を発行。また特定テーマに関する報告書の作成も15%費やす。全体報告書となる「State of the Nation Report 2020」にも5%割く。
【参照ページ】Investigation launched into potential for bias in algorithmic decision-making in society
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