サイクロン・イダイ(Cyclone Idai)が3月4日、モザンビーク海峡で発生。3月6日から8日かけ、モザンビーク北部を横断し、マラウイに侵入。強大な洪水をもたらした。また、その後一旦モザンビーク海峡まで後退するも今度はマダガスカルが大きく被災。さらに強度を増し、3月14日から3月16日にかけモザンビーク第二の港湾都市ベイラを直撃し、隣国ジンバブエにまで侵入。周辺部が壊滅的な被害を受けた。最大風速は時速195kmまで記録した。
(出所)OCHA
3月24日時点で、死者は、モザンビークで446人、ジンバブエで259人、マラウイで56人、マダガスカルで1人。行方不明者もジンバブエで200人以上出ている。避難を強いられた被災者はモザンビークで170万人、マラウイで100万人、ジンバブエで25万人、マダガスカルでも1,000余人出ており、全体で290万人に迫っている。被害が甚大なモザンビークのベイラでは、大規模な水不足、食糧不足、コレラやマラリア、腸チフス等の感染症リスクが生じている。
国連では、国連人道問題調整事務所(OCHA)が情報収集に努めるとともに、国連世界食糧計画(WFP)が現地での救援物資の空中投下を開始。国連児童基金(UNICEF)も緊急支援を開始している。南アフリカ政府は3月16日、EUは3月19日に緊急支援を表明。外務省も3月22日、マラウイ政府からの要請を受け、国際協力機構(JICA)を通じ同国への緊急援助物資(テント,毛布等)を供与を決めた。国際赤十字や救世軍等のNGOも動き出している。
現在も避難できず取り残されている人々が数万人規模でおり、町や村を飲み込んだ洪水の水面に数百人の遺体も浮かんでいる状況。避難者への支援、今後の復興に、たくさんの支援が必要となっている。
気候変動により、今後、サイクロン、ハリケーン、台風の猛威は増していくと言われている。
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