電子機器世界大手米HPは3月19日、新たなビジョン「プリンティング・サステナビリティ」を打ち出した。HPの主力製品の一つはプリンター。同社はプリンター使用による環境負荷を削減するため、森林破壊、二酸化炭素排出量、サーキュラーエコノミーで新たに目標を設定した。
森林破壊では、HPブランドの紙製品では当初の目標より2年早い2016年に、森林破壊ゼロ100%を達成するとともに、北米地域の製品ではすでにFSC認証取得率100%となっている。また、2020年までに紙包装でも森林破壊ゼロ100%を実現するという目標も計画通り進んでいる。HPが掲げる「HP森林ポジティブ・プリンティング」フレームワークでは、どのメーカーの紙でも森林保全となることを目指しており、NGOとの連携や、森林マネジメントでの科学的根拠に基づく目標設定を実施している。
二酸化炭素排出量では、HPが法人向けに最適なプリンター環境を提案する「マネージドプリントサービス」では、顧客での二酸化炭素排出量が33%削減できたという成果も出ている。さらに今回、トナーの融解温度を引き下げた新たなプリンター「HP LaserJet A4」とトナー「EcoSmart」を投入する。
サーキュラーエコノミーでは、プリンター「ENVY」と「Tango」では、再生プラスチックの含有割合が30%となっている。インクカートリッジやトナーカートリッジでも、「3.9B HP Original」シリーズでは、2000年以降、累計902億gの再生プラスチックを使ってきた。今日では、海洋プラスチックを回収した再生プラスチックも2.5億g使っている。最終的には、再生プラスチック割合を、トナーカートリッジで100%、インクカートリッジで80%にまで高める計画。
最近の米国の調査では、米国従業員の50%以上が、サステナビリティに取り組む企業で働きたいという結果が出ており、従業員採用、離職、勤務意欲等に影響を与えることがわかってきている。そのためHPは、プリンターの安全性や環境インパクトを重視していることを示すことで、顧客の人事マネジメントにもいい影響を与えていく考え。
【参照ページ】HP Pledges to Make Every Page Printed Forest Positive, Carbon Neutral and Part of a Circular Economy
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