欧州委員会は3月20日、EU競争法に違反したとして、米グーグルに対し14億9,446万ユーロ(約1,900億円)の罰金を科したと発表した。検索連動型広告「AdSense(アドセンス)」を巡り、第三者のウェブサイト運営主に問題のある契約条項を強制したことが、支配的地位を乱用した競合他社排除にあたると判断された。欧州委員会は、2017年と2018年にも、グーグルに対し競争法違反で巨額の罰金を科している。
【参考】【EU】欧州委員会、グーグルに競争法違反で5700億円制裁金命令。同社は控訴の考え(2018年7月22日)
【参考】【EU】欧州委員会、グーグルに対し独占禁止法違反で約3,000億円の罰金。検索首位の地位乱用(2017年7月12日)
今回の罰金は、2006年からのグーグルのアクションに関するもの。欧州委員会は、グーグルが自社サイトでの検索結果表示ページで、マイクロソフトやヤフー等の同社の競合企業の広告掲載を禁止していることについては、問題視していない。しかし、検索市場で独占的な地位を占めるグーグルの同措置により、競合企業は他のウェブサイトで広告を載せる必要があるにもかかわらず、他のウェブサイトでもグーグルが制約を課していることを競争法上問題の行為と見做した。
具体的には、グーグルは2006年から、第三者のウェブサイト運営主に対し、グーグルの競合企業の広告掲載を禁止する排他的条項を強制。2009年には、排他的条項を緩めたものの、新たに「プレミアム掲載」条項を盛り込み、最も収益性の高い広告スペースは、グーグルのアドセンス用にとっておくことを義務化し、さらに競合企業の広告掲載方法を変更する場合には、グーグルの許可を要するという内容も盛り込んでいた。
そのため、欧州委員会は、グーグルの2018年の売上の1.29%に相当する14億9,446万ユーロの罰金を科した。民事賠償については、別途裁判となる可能性もある。
【参照ページ】Antitrust: Commission fines Google €1.49 billion for abusive practices in online advertising
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