ノルウェー公的年金基金GPFGの運用を担うノルウェー銀行投資マネジメント部門(NBIM)は3月18日、シンガポール天然ゴム大手ハルシオン・アグリの投資除外を決定した。深刻な環境破壊リスクがあると判断した。株主として投資先企業へのエンゲージメントを強化する方法についても検討したが、投資除外による株式売却が適切と結論づけた。
NBIMは3月6日、2018年末時点の運用銘柄一覧を公表。その際に、今回発表のあったハルシオン・アグリの他、シンガポールのオーラム・インターナショナル、マレーシアSime Darby Plantation、ベルギーSipefの名前が消えていたことが明らかとなっていた。4社は2017年の発表時には一覧に入っていた。4社が扱う天然ゴムやパーム油生産での森林破壊が問題視されている模様。
ハルシオン・アグリとSipefは、 WBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)の「タイヤ業界プロジェクト(TIP)」参加11社及び伊藤忠商事、フォード、キラナ・メガタラ、ソクフィン・グループ、サウスランド・グローバル・ピィーティーイとともに、持続可能な天然ゴムのための新たなプラットフォーム(GPSNR)」を2018年10月に発足していた。TIP参加11社には、ブリヂストン、住友ゴム工業、東洋ゴム工業、横浜ゴムもいる。
ハルシオン・アグリに対しては、伊藤忠商事が2月22日、同社の持続可能な天然ゴムマーケットプレイス子会社ヘベアコネクトへの出資を発表していた。出資詳細は現在検討中。ヘベアコネクトには、シンガポール銀行大手DBSも出資している。また、伊藤忠商事は同日、インドネシア天然ゴム加工子会社アネカ・ブミ・プラタマで、ヘベアコネクトのサステナビリティ基準「ヘベアプロ」を採用すると発表したばかりだった。
今回NBIMが、ハルシオン・アグリの環境基準で投資除外を決めたことで、ヘベアコネクトと関係のある企業にも、ハルシオン・アグリの業務に対する責任が問われていきそうだ。
【参照ページ】Decision to exclude company from the Government Pension Fund Global
【参照ページ】Holdings as at 31.12.2018
【参照ページ】Stakeholders launch Global Platform for Sustainable Natural Rubber
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