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【日本】経産省、「水素・燃料電池戦略ロードマップ」策定。具体的なコスト削減目標設定

 経済産業省の水素・燃料電池戦略協議会は3月12日、水素基本戦略及び第5次エネルギー基本計画で掲げた目標の達成に向け、新たな「水素・燃料電池戦略ロードマップ」を策定した。基本戦略で掲げた目標を達するためのKPIとして、基盤技術毎のスペックとコスト内訳の目標を設定した。同時に進捗状況をチェックするための有識者による評価WGも設置した。

【参考】【日本】政府、「水素基本戦略」決定。褐炭をCCSでCO2フリー化する水素製造技術が柱か(2018年1月4日)
【参考】【日本】政府、第5次エネルギー基本計画を閣議決定。技術自給率の概念を新たに強調(2018年7月4日)

 まず、燃料となる水素供給では、基本戦略では、「2030年頃に30円/Nm3、将来的に20円/Nm3」と掲げ、化石燃料由来の燃料に炭素回収・貯蔵(CCS)を組み合わせた方式と、再生可能エネルギー電力での水電気分解で生成する方式の2つを検討している。今回のロードマップでは、「化石燃料+CCS」では、褐炭ガス化による水素製造コストを現状の数百円/Nm3から12円/Nm3へ低減。水素液化効率も液化原単位13.6kWh/kgから6kWh/kgに高める。一方、「再エネ水素」では、水電解装置システムコストを、現在の20万円/kWから2030年には5万円/kWに4分の1にまで削減。エネルギー消費量も、現状の5kWh/Nm3から2030年には4.3kWh/Nm3へと下げ、省エネ化も図る。


(出所)経済産業省

 水素利用側では、燃料電池車(FCV)の価格を下げ、電気自動車(EV)に対抗できるようにする。具体的には、燃料電池コストを現状の約2万円/kWから2025年には0.5万円/kWに、水素貯蔵コストを約70万円から30万円に削減。FCVとEVの価格差を現状の300万円から2025年には70万円に近づける。FCバス価格も、2020年代前半には現状の1億500万円から半減したい考え。水素ステーションの価格も、整備コストを3.5億円から2億円に、運営コストを3,400万円から1,500万円と下げる。

 また水素の別の利用法としては、既設火力発電での水素混焼発電もある。導入条件明確化を明確化し、2020年までに水素専焼発電での発電効率向上を現状の26%から27%にわずかに上げる。

 水素エネルギーを二酸化炭素排出量削減策として用いるためには、水素供給での二酸化炭素排出量削減が鍵を握る。そのため、CCSと再生可能エネルギー電力が重要となる。CCSのプロセス及び炭素貯蔵等のコストが実用的にならなければ、結局は再生可能エネルギー発電を増やすしかなくなる。

【参照ページ】水素・燃料電池戦略ロードマップを策定しました

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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