国連環境計画(UNEP)は3月11日、世界の有害化学物質の状況をまとめたレポート「世界化学物質アウトルック(Global Chemicals Outlook)」の第2版を発行した。同レポートの初版は2013年に発行。有害化学物質に関する国際条約や事業者の自主規制により有害化学物質の環境インパクト低減努力が続く中、有害化学物質そのものの生産を増えており、進歩は停滞していることがわかった。
現在の化学物質の生産能力は世界全体で年間23億t。金額換算で5兆米ドル(約560兆円)。これが2030年までに2倍にまで拡大すると予想されている。同時に、化学物質汚染により、2016年には160万人が死亡。生態系サービスに対する脅威にもなっている。特に発展途上国では、規制が遅れており、世界120ヶ国以上では、「化学品の分類および表示に関する世界調和システム(GHS)」が導入されていない。
国連持続可能な開発目標(SDGs)は、ターゲット12.4で、「国際的に合意されたフレームワークに基づき、2020年までにライフサイクルを通じて化学物質と全ての廃棄物の十分な環境マネジメントを実現し、人体への健康と環境への負のインパクトを最小化するため、大気、水、土壌への排出量を顕著に削減する」としていたが、達成は非常に困難な模様。2020年を過ぎても実施すべきアクションプランを提示した。
【参照ページ】UN report: Urgent action needed to tackle chemical pollution as global production is set to double by 2030
【レポート】Global Chemicals Outlook II
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