ノルウェー政府は3月8日、公的年金基金GPFGの投資先から石油・ガス企業を除外する考えを示した。具体的には、FTSE Russellのセクター分類で、「石油・ガス」大分類の中の「探査・採掘」に分類されている企業が除外対象となる。ノルウェー財務省は、「オイル価格下落のボラティリティリスクを低減するため」と説明した。今後、国会、財務省、GPFGの3者で詳細を検討する。
GPFGは、運用資産総額が100兆円を超える世界有数の機関投資家。現在、GPFGは「探査・採掘」に関する企業に合計660億ノルウェークローネ(約8,400億円)投資しており、同ファンドの株式運用額の1.2%を占める。ノルウェー政府が今回発表した投資先除外対象企業リストには全部で150社の名前が記載されている。その中には、米マラソン・オイル、米オクシデンタル・ペトロリウムや、新興国も含めた石油・ガス大手が列挙されている。日本企業では、国際石油開発帝石(INPEX)、出光興産、三愛石油、東亜石油、富士石油も入っている。
産油国でもあるノルウェーは、必ずしも石油・ガス業界そのもの未来が暗いのではなく、あくまで資産の多様化として今回のダイベストメントを正当化しようとしている。石油・ガス市場そのものに対する見方については、今後あらためてGPFGから意見を聴くという姿勢を強調した。その際には、気候変動リスクが石油・ガス業界に与える影響についても考慮するようGPFGには伝えるとしている。
一方、ノルウェー政府は、今回の石油・ガスダイベストメントが最終決定したとしても、ノルウェー政府が石油会社に対する沖合い権益(SDFI)や国営エネルギー会社エクイノールの権益や株式は売却しない方針を明らかにした。
【参照ページ】Excludes exploration and production companies from the Government Pension Fund Global
【参照ページ】List of companies in the GPFG's equity portfolio as of 31 December 2018
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