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【国際】世界銀行ESMAP、新興国の洋上風力推進プログラム発足。英政府が資金拠出。GWECも参加

 世界銀行のエネルギー分野プログラム「Energy Sector Management Assistance Program(ESMAP)」は3月6日、英国政府から2,000万ポンド(約29億円)の資金拠出を受け、新興国での洋上風力発電を推進する新プログラムを発足したと発表した。風力発電国際業界団体の世界風力会議(GWEC)も3月7日、同プログラムで協働すると発表した。

 洋上風力発電は、2011年以降5倍にまで拡大しており、2018年末までに23GWの設備容量が設置。現在は北海・バルト海に集中しているが、今後、欧州、中国、米国で急拡大が見込まれている。洋上風力発電分野への世界の年間投資額は目下、260億米ドル(約3.8兆円)で再生可能エネルギー投資全体の8%を占める。2030年までには毎年5,000億米ドル(約72兆円)にまで成長すると予想されている。ポテンシャルとしてベトナムでは309GW、南アフリカでは356GW、ブラジルでは526GWと試算されている。

 今回発表のプログラムでは、世界銀行で500万米ドル(約5.6億円)の資金を用意。世界銀行グループの国際金融公社(IFC)もプログラムに参加する。またGWECは2018年10月、組織内に「洋上風力タスクフォース」を設置しており、これと協働する。同タスクフォースは、北米とアジア向けの洋上風力発電拡大に向け、政府への政策提言、技術導入、社会・経済効果の啓蒙、業界フォーラムの組成等を実施。同タスクフォースの発足でも、英ビジネス・エネルギー・産業戦略省と英王室直属のクラウン・エステートが主導。シーメンス・ガメサ・リニューアブル・エナジー、イベルドローラ、オーステッド、MHIヴェスタス等が参加している。

 ESMAPとデンマーク工科大学はすでに、世界の風力発電適地マップを作成、発表しており、今回の新プログラムでもこれを活用する。

 日本政府は、2月8日に開催した「第41回経協インフラ戦略会議(内閣官房長官が議長)」で、海外インフラ輸出分野として取り組む成長分野の中に洋上風力発電を位置づけたばかり。国内での洋上風力発電でも「再エネ海域利用法」が制定したばかりで、区域設定だけでも地元調整で大幅な時間がかかると予想されている。国際的なイニシアチブでも、英国政府に遥か先を行かれ、大幅に出遅れている。

【参考】【日本】洋上風力発電普及法、成立。最長30年間の海域占有許可や法定協議会設置を規定(2018年12月9日)

【参照ページ】New Program to Accelerate Expansion of Offshore Wind Power in Developing Countries
【参照ページ】GWEC and World Bank Group announce plans to cooperate on development of global offshore wind markets
【参照ページ】GWEC creates Taskforce to accelerate Global Offshore Wind deployment
【参照ページ】第41回 経協インフラ戦略会議
【ツール】Global Wind Atlas

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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