大気汚染情報提供世界大手スイスIQAirは3月5日、2018年の世界のPM2.5汚染状況を発表。世界で最もPM2.5濃度が高かった国はバングラデシュ。都市別ではインド・グルグラム(旧名グルガオン)だった。
今日、若年死亡者の死因で世界第4位の規模。年間700万人以上が死亡している。また、疾患により奪われている労働力は年間2,250億米ドル(約25兆円)にも上る。今回、IQAirは、測定している世界3,000都市以上の2018年のPM2.5汚染を分析。測定対象となった73カ国のうち86%は、世界保健機関(WHO)指針の10µg/m3を達成できておらず、50%はPM2.5濃度がWHO指針よりも3倍も高かった。
PM2.5濃度の高い国(µg/m3)
- バングラデシュ(97.1)
- パキスタン(74.3)
- インド(72.5)
- アフガニスタン(61.8)
- バーレーン(59.8)
- モンゴル(58.5)
- クウェート(56.0)
- ネパール(54.2)
- アラブ首長国連邦(49.9)
- ナイジェリア(44.8)
- インドネシア(42.0)
- 中国(41.2)
- ウガンダ(40.8)
- ボスニア・ヘルツェゴビナ(40.0)
- マケドニア(35.5)
一方、濃度が低い国は、アイスランド(5.0)、フィンランド(6.6)、オーストラリア(6.8)、エストニア(7.2)、スウェーデン(7.4)、ノルウェー(7.6)、ニュージーランド(7.7)、カナダ(7.9)、米国(8.0)、ポルトガル(9.4)、アイルランド(9.5)の順。WHO指針を達成しているのは、この11カ国のみ。日本は12.0、英国は10.8、ドイツは13.0、フランス13.2、スイス11.6、シンガポール14.8、韓国24.0、台湾18.5だった。
PM2.5濃度の高い都市(µg/m3)
- インド・グルグラム(135.8)
- インド・ガーズィヤーバード(135.2)
- パキスタン・ファイサラバード(130.4)
- インド・ファリダバード(129.1)
- インド・ビワディー(125.4)
- インド・ノイダ(123.6)
- インド・パトナ(119.7)
- 中国・ホータン(116.0)
- インド・ラクナウ(115.7)
- パキスタン・ラホール(114.9)
南アジアでは、大気汚染が非常に深刻な問題となっている。東南アジアでは、石炭火力発電所の多いジャカルタとハノイではPM2.5濃度が高く、すでに中国で深刻だった北京よりもPM2.5濃度が高い。欧州では、バルカン地域で濃度が高い。また、アフリカや中南米地域では、そもそもPM2.5濃度を測定するインフラが整っておらず、今回対象となっていないが、懸念されている。
【参照ページ】AirVisual launches groundbreaking report and interactive web ranking in review of 2018’s global air quality status
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら