国営タイ発電公社(EGAT)は3月4日、2037年までに、水力発電ダム9ヶ所の水上に合計16の浮体式太陽光発電所を設置する計画を発表した。完成すると設備容量2.7GWとなり世界最大の浮体式水上太陽光発電国となる。今日までに世界全体では総計1.3GWの浮体式太陽光発電所が完成しており、今後東南アジアでも設置が大幅に進むとみられる。
EGATが発表した16ヶ所のうち、300MW前後級が5ヶ所あり、規模の大きさが伺える。タイ発電公社は、完成すればタイの再生可能エネルギー電力の10%を担う規模となる。世界銀行によると、浮体式水上太陽光発電の建設コストは、陸上の太陽光発電と比べ18%高い。但し、今回の案件は、既存の水力発電所の水面に設置するため送電網整備(グリッド)コストは非常に安くすむ。また同社は、水面にあるため冷却コストが安く抑えられる点や、太陽光発電建設による森林破壊等が伴わないメリットも強調した。
計画している発電所のうち5ヶ所については1月24日にタイ国家エネルギー政策委員会から承認済み。最初のプロジェクトとなるタイ南東の「シリントーン・ダム」での案件(設備容量45MW)は5月から入札を受け付ける。海外企業も入札可能。建設コストは20億バーツ(約2,230億円)と試算している。営業運転開始は2020年を予定。タイ政府は、2037年までに全発電設備容量のうち27%を再生可能エネルギーにする目標を掲げている。
中国では2018年5月に、150MWの浮体式太陽光発電が完成しており、これまでの世界最大規模。
【参考】【中国】内陸湖沼での浮体式メガソーラー導入進む。2018年5月には150MW発電所完成(2018年2月4日)
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