国連総会は3月1日、「生態系回復の10年」を宣言した。気候変動危機、食糧安全保障、水供給、生物多様性の強化のため、劣化または破壊された生態系を回復する取組を大規模に拡大する。
国連環境計画(UNEP)の発表によると、陸上生態系や海洋生態系の劣化により、世界32億人のウェルビーイングが低下し、世界のGDPの10%に相当する生態系サービスが損なわれている。国連は目下、2030年までに劣化した土地を3,500万ヘクタール回復させる「ボン・チャレンジ」を進めており、これにより9兆米ドル相当の生態系サービスを生み出し、13Gtから26Gtの二酸化炭素を大気から固定することができる。
一方世界には現在、劣化した土地が20億ヘクタールあると言われており、今回取組のレベルを引き上げ、政治協力、ファイナンス、科学的研究を大規模に促進したい考え。ボン・チャレンジの下でも、現在57ヶ国政府や国際機関、NGO等が合計1,700万ヘクタールの回復を表明しているが、3,500万ヘクタールには遠い。「生態系回復の10年」宣言によるアクションは、国連環境計画(UNEP)と国連食糧農業機関(FAO)が主導する。
今日、世界全体の耕作可能地の約20%で、土地侵食や汚染により栄養素が失われ生産性が低下傾向にある。2050年までに、気候変動と土地劣化で作物生産量が世界全体で10%低下する見込み。地域によっては50%も低下する恐れもあり、対策が急務となっている。
【参照ページ】New UN Decade on Ecosystem Restoration offers unparalleled opportunity for job creation, food security and addressing climate change
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら