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【国際】FAO、食糧生産における生物多様性減少に警鐘。背景には環境破壊、気候変動、人口増加等

 国連食糧農業機関(FAO)は2月22日、食糧や農業における生物多様性喪失に警鐘を鳴らすレポートを発表した。FAOが同テーマのレポートを出すのは今回が初。食糧となる動植物の種が多く失われているとともに、植物繁殖の媒介者となる送粉者等の動物の種も減少してきている。

 同レポートはまず、農場の種の多様性の減少、絶滅リスクのある家畜種の増加、乱獲されている業種の増加について言及した。現在、栽培されている食糧の種6,000数種のうち、わずか9種類のみで全体の66%を占めており、世界の食糧を実質的に支えている種全体でも200弱しかない。同様に、家畜として飼育されている動物40種のうち、わずか一握りの種で肉、卵、乳の生産の大多数を占めている。世界の各地域まで含め7,745種の家畜動物のうち実に26%が絶滅リスクに瀕している。魚種でも全体の約3分の1が乱獲されている。

 その中で、生物の種はどんどん消失している。特に深刻なのは中南米で、続いてアジア太平洋、アフリカ地域。これらの地域では野生種がもともと豊富ということもあり、種の消失が進行している。また、動植物の生物多様性に不可欠な関連生物の多様性も減ってきている。例えば、ペストや病気蔓延を抑制する鳥やコウモリや、ハチ、チョウ等も含めた送粉者は、非常に危機的状況にあるという。

 生物多様性が減少してきている原因には、土地や水利用の変化、汚染、乱開発、気候変動、人口増加、都市化等が挙げられる。また各地域には密猟等、固有の原因もある。

 一方、今回のレポートは、91ヶ国のうち80%で、オーガニック農業、統合ペスト管理、環境保護型農業、持続可能な土壌管理、アグロエコロジー、持続可能な森林管理、アグロフォレストリー、養殖の多様化等、生物多様性保護に関する食糧生産への関心が高まっているとも指摘。各国政府に正しい政策の実行を促すつともに、政府や企業、NGO間の連携を深めるべきだと提言した。

【参照ページ】The biodiversity that is crucial for our food and agriculture is disappearing by the day

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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