国際的な企業報告基準運営のCDP、GRI、CDSB、FASB(米国財務会計基準審議会)、IASB(国際会計基準審議会)、国際標準化機構(ISO)、SASB(米サステナビリティ会計審議会)、IIRC(国際統合報告評議会)の8団体による協働組織「Corporate Reporting Dialogue(CRD)」は2月28日、国連持続可能な開発目標(SDGs)の達成を支援するための企業報告フレームワークに関し、ポジションペーパーを発表した。IASBとFASBの会計基準特化2団体は、今回のポジションペーパー作成には加わらなかった。
CRDは、各基準の統一性や一貫性、比較可能性を推進するために2014年に発足。6団体の中には、金融市場の効率性や金融システムの安定化に主眼を置くものと、持続可能な開発の促進に主眼を置くものの2派があり、考え方の違いがある。しかし今回の議論を通じて、サステナビリティに関する企業行動がマクロ経済に影響を与えるとともに、マクロ経済環境が企業のサステナビリティ行動に影響を与えるとの認識で一致した。
【参考】【国際】Corporate Reporting Dialogue、企業報告の主要8フレームワークの俯瞰マップを公開(2015年6月3日)
【参考】【国際】IIRC、GRI、ISO、SASBらと共に企業報告に関する新たな共同イニシアティブを開始(2014年8月7日)
今回のポジションペーパーは、8団体の基準が各々SDGsの全項目を意識するのではなく、6団体が「集合体的に」SDGs達成を推進していくという考えを示した。そのため、SDGsの17のゴールについて、各基準がカバーしている範囲を整理した。その上で今後の課題として、同じゴールに対し報告を求めている内容の違いの整理や、SDGsの169のターゲットについてカバーできていない分野の特定が必要とまとめた。
【参照ページ】Standard setters and framework providers to support better reporting on the Sustainable Development Goals
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