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【EU】欧州委、ミャンマーに人権調査で高官派遣。輸入関税撤廃「EBA制度」継続可否分析

 欧州委員会と欧州対外行動局(EEAS)のハイレベル派遣団は2月18日から22日、国連が人権及び労働権侵害懸念を報告したミャンマーを訪問し、EUが発展途上国に付与している武器以外の全品目で数量制限なしにEU域内への輸入関税を撤廃する優遇制度「EBA制度」の適用可否に関するモニタリングを実施した。EUはすでに同様の理由でカンボジアでのEBA制度一時停止手続きを開始しており、ミャンマーについても同様のリスクが出てきた。

 ミャンマーでの人権及び労働権侵害については、2018年9月、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)が、特にラカイン州、カチン州、シャン州で侵害がみられることが報告された。他の国連機関からも同様の報告があり、欧州委員会と欧州対外行動局(EEAS)の派遣団は2018年10月28日から31日までミャンマーを訪問し、モニタリングを実施していた。

 今回の訪問モニタリングでは、国際法下での犯罪に関するアカウンタビリティ、国連の調査への協力、紛争影響地域への無制約の人道援助アクセス、国内避難民の状況及び安全で自主的で尊厳があり持続可能な難民帰還の状態、差別、ヘイトスピーチ、報道の自由、労働権の状況等がチェックした。モニタリングでは、ミャンマー外務省が窓口となり関係省庁からのヒアリング、地方政府からのヒアリング、難民キャンプ視察等を実施した。

 欧州委員会とEEASは今後、今回把握した内容を分析し、近い将来改善が見られるかのモニタリングやエンゲージメントを継続する。改善が見られなければ、次のステップに移り、最終的にはEBA制度の停止もありうる。

 現在、ミャンマーはEBA制度を通じて、2015年に5億3,500万ユーロ、2018年には23億ユーロの輸出をEUに行っている。主な製品は、アパレル生地(17億ユーロ)、米(1.4億ユーロ)、宝石類(1.3億ユーロ)、靴(1.2億ユーロ)。

 EUのEBA制度は、相手国に対し人権への取組を強化することに狙いがある。そのため、免税措置についても、各企業単位ではなく、国単位で実施している。EBA制度の恩恵を受けるためには、企業は国に対して人権強化を働きかける必要がある。もしくは、人権リスクの少ない国で操業する必要がある。

【参照ページ】EU monitoring mission evaluates progress on human rights and labour rights in Myanmar

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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