米環境保護庁(EPA)は2月20日、48州での発電からの二酸化炭素、窒素化合物(NOx)、二酸化硫黄(SO2)の排出動向を公表した。大気汚染物質となるNOxとSO2は減少したものの、二酸化炭素排出量はやや増加した。
2018年の二酸化炭素排出量は、2017年比0.6%増えた。2011年比では約20%減少しているが、減少は前オバマ政権が導入した「クリーンパワープラン(CPP)」よるものが大きい。2018年のNOx排出量は、2017年比6%減。1990年比では84%減少した。SO2は、2017年比6%減。1990年比では92%減少した。
トランプ政権は、今回の発表により、石炭火力推進政策の下でも大気汚染物質が減少できたと喧伝したい様子が伺える。二酸化炭素排出量についても0.6%増加したが、「発電量は5%増加したのに対し」と付言し、原単位排出量は減少した強調した。しかし実際には、トランプ政権の石炭推進政策の下でも、石炭から再生可能エネルギーへのシフトが進んでいる。また、トランプ政権は、大気汚染や気候変動に関する発電分野の規制を緩和してきたが、設備投資額が大きい発電等の分野では、規制緩和の効果が出るのに時間がかかる。今回の結果は、皮肉にもオバマ政権時代の成果を示すものとなっている。
【参考】【アメリカ】トランプ政権下の鉱山労働者数、オバマ時代よりも減少。米国での一般炭需要減少続く(2019年2月9日)
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