表現の自由・プライバシー保護推進の国際イニシアチブ「グローバル・ネットワーク・イニシアティブ(GNI)」は1月31日、インド電子IT省が2018年12月24日に偽情報や危険情報対策のため公表した2000年制定の「IT法」改正案に対し、懸念と修正を求めるパブリックコメントを提出した。
GNIは、2008年に設立。加盟機関は、グーグル、フェイスブック、マイクロソフト、ボーダフォン、BT、オレンジ、ノキア等のICT企業、BNPパリバ・アセットマネジメント、カルバート、ボストンコモン・アセット・マネジメント等の機関投資家、人権やインターネット分野のNGO、学術団体等。
今回の法改正は、ソーシャルネットワークサービス上に偽情報が広がっていることを問題視。これまでは責任を負っていなかった偽情報の仲介的な役割を果たすプラットフォーマーに対する責任を強化する内容となっている。
具体的な改正内容は、法規制やプライバシーポリシー、サービス規約違反時には、ユーザーがサービスにアクセスできなくなることを警告する頻度を、任意から月1回以上に引き上げ。法的に情報提出請求が出された場合は、72時間以内に提出するという期限を設定。ユーザー500万以上または政府指定のサービス運営企業は、インド国内に政府との窓口法人を設置することを義務化。司法府や行政府が法に基づき命じた場合には、24時間以内に偽情報を削除又はアクセスできなくすることを義務化。捜査に備え当該対策時の記録を180日間保存することを義務化。偽情報を削除またはアクセス不能にするための技術開発を義務化。また、規制対象の情報の定義について、公共衛生や公共安全を脅かすもの、重要な情報インフラに脅威を与えるもの、たばこや電子たばこ、アルコールの販売促進するものも追加した。
これに対しGNIは、「違法コンテンツ」や「適切な当局」の定義の明確化、コンテンツ削除やユーザー情報提出命令に対する法的な異議申し立て制度の確保、政府が企業に予防措置を強制する状況の制限又は撤廃、地方当局とのコミュニケーションを常時可能にする窓口法人設置の義務化に関する条項の削除又は修正、の4点を求めた。
【参照ページ】GNI Submission on Draft Amendments to Intermediary Guidelines in India
【法改正案】Comments invited on Draft of Intermediary Guidelines 2018
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