欧州委員会は2月11日、カンボジアに対し、武器以外の全品目で数量制限なしにEU域内への輸入関税を撤廃する「EBA制度」を一時的に停止する手続きに入った。政治参加、団結権、結社の自由、表現の自由等で深刻な人権侵害や労働権侵害が確認されたため。欧州委員会は2018年7月に、今回の決定の是非を判断するための情報収集を開始していた。
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今回開始された「EBA制度」の暫定撤回手続きでは、直ちに輸入関税が課せられるわけではないが、カンボジア政府に対するモニタリングやエンゲージメントが今後6ヶ月間、集中的に実施され、場合によっては輸入関税復活の判断も最終的に下されることもある。今回の決定は、2月12日に官報に掲載され、正式に発動した。集中モニタリングの後、最長3ヶ月間かけ作成された報告書が欧州委員会に提出される。官報掲載の1年後に、輸入関税復活の最終判断が発表され、6ヶ月後に施行される。
今回の決定は、欧州委員会が2018年10月4日に起案し、加盟国政府が2019年1月末に承認した。
【参照ページ】Cambodia: EU launches procedure to temporarily suspend trade preferences
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