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【アメリカ】民主党、グリーン・ニューディール下院決議案発表。再エネ100%転換等の気候変動対策

 米民主党は2月7日、環境政策で米経済を成長させる「グリーン・ニューディール(Green New Deal)」下院決議案を発表した。アレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員と、エド・マーキー連邦上院議員が2018年11月に起草を開始し、民主党の連邦下院議員64名、連邦上院議員9名の支持を取り付けた。次期大統領選挙民主党予備選に出馬予定のエリザベス・ウォーレン、カーマラ・ハリス、カーステン・ギリブランド、コリー・ブッカーの各連邦上院議員も支持した。連邦下院は、民主党が多数派。

 発表された「グリーン・ニューディール」決議案は、今後10年以内に国内電源を風力発電や太陽光発電のような二酸化炭素排出量ゼロの再生可能エネルギーに100%切り替えることや、交通手段の近代化、製造業及び農業での二酸化炭素排出量削減、住宅及び建物のグリーンビルディング化、土地保全の拡大等を通じた気候変動政策を大きく掲げた。

 また、気候変動によって被害を受ける市民や、エネルギー政策の転換により失業のおそれのある労働者向けの経済保護政策も盛り込み、医療サービス保障、雇用創出、就業訓練等を強化する考え。

 ニューディールは、フランクリン・ルーズベルト元大統領が世界恐慌から米国を救った経済政策に因んでいる。決議案は、法案ではないが、連邦議会の意思を示す「決議」での採択を目指すもの。

 今回のグリーン・ニューディール政策は、もともとは連邦議会で議席ゼロの米緑の党が提唱したものだったが、2018年11月の米中間選挙の1週間後に、米環境NGOのSunrise Movementが民主党のナンシー・ペロシ連邦下院議長事務所に押しかけ、グリーン・ニューディールへの支持を要求。同日、29歳と議会内最年少のアレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員が、中間選挙で民主党が多数派となった連邦下院議会にグリーン・ニューディール特別委員会を設置する考えを表明。これにより、グリーン・ニューディール政策の存在が一気に米国中に伝わった。その後、民主党議員から相次いで支持が表明されていく。

 これら民主党の動きには、国際環境NGOのグリーンピース、シエラクラブ、Friends of the Earth(FoE)、350.orgも賛同。12月10日には、Sunrise Movementが、ナンシー・ペロシ連邦下院議長、ステニー・ホイヤー連邦下院院内総務の事務所に詰めかけ、再度支持を訴えた。1月10日には、環境NGOを中心に600団体が連邦議会上下院に対し、気候変動対応のアクションを求める共同書簡を送付していた。

【決議案】Green New Deal Resolution
【共同書簡】Legislation to Address the Urgent Threat of Climate Change

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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