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【ヨーロッパ】「難民・移民が病気を持ち込むリスクより、彼らの健康リスクのほうが深刻」WHO報告

 世界保健機関の欧州事務所(WHO Europe)は1月21日、難民や移民の健康リスクに関する報告書を発表。滞在が長期間になれば、運動不足や栄養不足等により慢性疾患が高まるリスクがあるとする調査結果をまとめた。一方、これまで難民や移民は、受入国に感染症を持ち込むことが懸念されていが、今回の調査からはそのリスクは小さいことがわかった。

 国際移民は、欧州53ヶ国の人口の10%を占め、約9,070万人。そのうち7.4%が難民。一部の欧州諸国では、市民が実際の地域の難民数よりも3倍から4倍にいるように感じるという調査結果も出ており、健康リスクに関する正しい情報を伝え、社会不安を低減させることが必要となってきている。

 今回の調査では、移民・難民約13,000人の書類を分析。移民・難民の流入は、移民・難民と受入国住民の双方の健康リスクへの懸念が高まっていたが、今回の調査からは、移民・難民は到着時には感染性疾患と非感染性疾患のいずれにおいて受入国住民よりも疾患割合が少なく、病気を持ち込むリスクは低いことがわかった。一方で、移民・難民は、移動時に十分は医療サービスが受けられないことから体調を崩す人がおり、また、受入国での滞在が長期化すれば、慢性病疾患や鬱病等にかかるリスクがあることもわかった。

 非感染性疾患の中でも、難民・移民は、子宮頸がんを除き、全てのがんにおいて受入国住民より感染割合は少なかったが、がん患者においてはがんが進行している割合が高かった。背景には受入国のほうが治療体制が進んでいることが挙げられる。糖尿病では、難民・移民の方が疾患率も死亡率も高かった。一方、感染性疾患では、結核については、受入国の流行状況により移民・難民の感染状況も大きく異なっていた。難民・移民のHIV感染者については、欧州に到着してから感染している人が多かった。

 今回の結果を受け、WHO Europeは、受入国以上に難民・移民が健康リスクを背負っていると指摘。難民・移民への医療サービス提供や社会保護の充実を呼びかけた。

【参照ページ】Migrants and refugees at higher risk of developing ill health than host populations, reveals first-ever WHO report on the health of displaced people in Europe

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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