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【国際】IIASA、気候変動と社会紛争・移民には因果関係があると発表。旱魃が政治混乱もたらす

 国際的なサステナビリティ研究機関の国際応用システム分析研究所(IIASA)は1月23日、気候変動と社会紛争・移民の因果関係を本格的かつ科学的に分析した初のレポートを発表した。これまで2つの因果関係については、シリア難民問題等に関連しメディア等でも推定がなされていたが、本格的な分析が待たれていた。今回、因果関係があったと結論付けた。

 今回の調査では、社会紛争からの影響が通常の移民より大きい政治亡命者に焦点を当て、2006年から2015年までの157カ国からの政治亡命申請者のデータを、国連難民高等弁務官(UNHCR)事務所から取得。加えて、SPEI(標準化降水量蒸発散量指数)を用いて、政治亡命時の旱魃度合いを算出した。さらに、ウプサラ紛争データプログラム(UCDP)のデータを用いて、その時の戦死者数データから社会紛争のレベルも測定した。これらのデータを、研究者らの社会経済及び地理情報データベースとともにモデリングを行い、因果関係を弾き出した。

 その結果、2010年から2012年にかけチュニジア、リビア、イエメン、シリア等西アジア諸国で発生した政治革命「アラブの春」では、気候変動が社会紛争に大きな影響を与えていたことがわかった。例えばシリアでは、気候変動に起因する長期間の旱魃と水不足により、農作物生産量が頻繁に低下。それにより農村家族が都市部に流入し、都市部が過密化し、失業や政治不安を引き起こし、内戦へと発展した。同様のパターンは、同時期のサブサハラ地域でも見られた。そして社会紛争が発生したことで、人々が移民化した。

 今回研究者らは、気候変動が社会紛争を引き起こし、移民へとつながるという問題は、国連持続可能な開発目標(SDGs)の中でも考慮されるべきと提言。一方、気候変動と移民の因果関係については、さらなる研究が必要とした。
 
【参照ページ】New study establishes causal link between climate, conflict, and migration

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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